日本家族看護学会第29回学術集会

プログラム シンポジウム

シンポジウム1

家族看護の現場からの発信~実践と課題~

座長
益守 かづき(久留米大学医学部看護学科)
児玉 久仁子(東京慈恵会医科大学 医学部 看護学科)

家族の誰かが病気に罹患し療養を強いられるようになったとき、家族はどのような体験をするでしょうか。病気を抱える患者の看病が初めてという家族、介護する過程で家族の絆を改めて捉え直した家族、自分の生活を調整することを強いられた家族など、家族のあり様は多様です。家族らしく病気を抱える方と共に生活するためには、何らかの支援が必要なこともあるでしょう。4名のシンポジストより、活動している現場での家族へのかかわりや、直面している問題、問題解決への取り組みなどを語っていただきます。参加者の皆さまと共に家族看護を改めて考え、参加者が抱えている課題の打開策を見出すことを目的として企画しました。


シンポジスト
大島 昌子(東海大学医学部付属八王子病院/家族支援専門看護師)
畠山 卓也(駒沢女子大学看護学部看護学科准教授/精神看護専門看護師)
山下 郁代(子ども訪問看護ステーションいちばん星所長/
 NPO法人福岡子どもホスピスプロジェクト理事)
竹熊 千晶(熊本保健科学大学教授/NPO法人老いと病いの文化研究所われもこう)

大島 昌子 氏
(おおしま まさこ)

成人病棟での家族看護の現状と課題

私は、助産師として産婦人科病棟、NICUおよび小児病棟にて従事してまいりました。その中で、家族看護の難しさや楽しさを学んだことをきっかけに、家族支援専門看護師の道を選びました。現在は、循環器内科・心臓血管外科・腎透析科の混合病棟で、意思決定支援、ACP(Advance Care Planning)導入時のケアおよび対応が難しいケースなどを通して、スタッフとディスカッションをしながら、ケアを提供しています。シンポジウムでは、2事例(実践事例と相談事例)を皆様と共有し、現状と課題を考えたいと思います。


畠山 卓也 氏
(はたけやま たくや)

精神科病棟での家族看護の現状と課題

精神科病棟での看護実践に携わり、現在は大学で学部教育に携わる一方、定期的に臨床看護の場で活動しています。家族の発達段階に応じて家族の抱える健康課題は様々であり、精神疾患をもつ人やその家族も同様です。一人ひとりが尊重され、そして家族らしい生活を送るために、私たちにできることを考えてみたいと思います。精神看護専門看護師(日本看護協会認定)。博士(看護学)。


山下 郁代 氏
(やました いくよ)

在宅療養児の家族支援~こども訪問看護の現場から~

こども訪問看護ステーションいちばん星は、2008年に開設して以来、病気や障がいのある子どもの訪問をしている。在宅で、子どもは子どもらしく、家族はその家族らしく、楽しく暮らしていけるよう日々支援している。
今回、家族、きょうだい児の現状や訪問看護での支援の在り方、家族の声を現場から発信していきたいと思う。


竹熊 千晶 氏
(たけくま ちあき)

看取り文化の伝承ーホームホスピスわれもこうの活動ー

医療の高度化、長寿化は自ずと介護の長期化、重度化をもたらしました。一方で、独居高齢者や老夫婦二人暮らしの増加は、長期の在宅での療養や看取りは困難な場合が少なくありません。2010年2月に開設した「ホームホスピスわれもこう」は、医療依存度が高くて家族だけでは不安、大きな施設には入りたくないなどの人たちのための、安心して最期まで過ごすことのできる居場所です。空き家を活用したこの場所での「われもこう」の始まりは、お一人の介護の必要な高齢男性の暮らしからでした。あれから10年以上が経過し地域で看取りを行うことは、家族や地域の力を緩やかにつなぎ直す可能性があると感じています。


シンポジウム2

家族の語りから学ぶ

座長
正野 逸子(元 西九州大学看護学部)
長戸 和子(高知県立大学看護学部)

シンポジウムⅡでは、3名の患者(療養者)さんのご家族に療養から看取りまでの体験を語っていただきます。この家族の体験の中から患者さんの病を抱えての心身の苦痛、生活への影響と想いを知り、そして一番身近に居た家族としての体験と想い、それらを通して看護職に求めることを語っていただきます。 病と共に生きる患者さんとそれを支えるご家族は私たち看護職の想像を超えた世界を体験しています。家族の語りからそれらを理解し、支援に繋げるための機会にしたいと思います。また、本シンポジウムでは、教育講演でご講演いただくやまだようこ先生に、指定討論としてもコメントを頂きます。シンポジストの皆様の語りへの理解をさらに深めることができるのではないかと思います。


シンポジスト
木下 昌子(ホームホスピスわれもこう家族会会長)
川口 有美子(ケアサポートモモ代表取締役/NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会副理事長)
添田 友子(九州大学病院親の会“すまいる”/NPO法人福岡子どもホスピスプロジェクト啓発チーム)

木下 昌子 氏
(きのした まさこ)

ホームホスピスわれもこうでの看取り

夫は定年退官後インフルエンザ脳症を患い、救急病院、リハビリテーション病院を経て退院してもよいと言われました。でも私たちは2人暮らしで、とても私一人で介護ができるような状態ではありませんでした。退院先を探していたときに「ホームホスピス」に出会いました。気管切開し、鼻腔栄養で病院ではミトンの手袋をしていた夫が“われもこう”に入居しどのような生活をしていたか、どのような出会いがあり、どのように見送ったかをお話ししたいと思います。


川口 有美子 氏
(かわぐち ゆみこ)

母を看取り、私は生きる ALS患者の娘の立場から

ALSを発症した実家の母に96年から在宅人工呼吸療法を開始し、03年にNPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会とケアサポートモモ(訪問介護事業)を起業。以来、難病患者家族や専門職に介護情報を提供し、介護サービスの普及に努めている。自らの体験からALS患者と家族の選択と葛藤を描いた『逝かない身体』(医学書院)で2010年第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2013年2月立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。


添田 友子 氏
(そえだ ともこ)

精一杯生きた我が子を見送って

2018年8月7歳だった次女を急性リンパ性白血病で亡くす。娘が生前に行っていた小児がん支援を地域の支えのおかげで続けるようになり、娘の名をつけた駄菓子屋を地域に開き、地域貢献できるような活動に挑戦中。闘病中に支えてくれた医療スタッフの力が娘の短い人生を豊かにし、そのことが今も遺族の支えであると感謝の意を抱き今後の子どもたちに生かしてほしいと考える。元小学校教諭。福岡に子どもホスピスを作る活動にも注力中。

プログラム

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